GIS実習オープン教材の学習(その3)

今回は、課題の第3回として主に座標系の変換を学習します。
参考URLは、以下になります。
https://gis-oer.github.io/gitbook/book/materials/tasks/t_08.html

目次

今回の課題の概説

今回の課題は、3つあります。
1.空間座標の変換(緯度経度から平面直角座標への変換)
2.ジオリファレンス(画像データとベクトル位置データとの関連付け)
3.ジオコーディング(背景地図上に位置情報を持つテキストデータの重ね合わせ)
早速見ていきましょう。

課題1 空間座標の変換

課題1の内容は、以下となります。

まず、東京23区コンビニのデータを世界測地系の平面直角座標系へ投影変換し、地図をレイアウトしてください。次に、地理座標系と投影座標系の違いについて、WEBで調べて300字程度でまとめてください。

GIS実習オープン教材 課題3

作業手順は以下となります。

  1. 東京23区コンビニのデータをダウンロード
  2. QGISで世界測地系の平面直角座標系へ投影変換
  3. 地図をレイアウト(整飾)
  4. 地理座標系と投影座標系の違いについて、300字程度でまとめる

1.東京23区コンビニデータのダウンロード
下記URLからデータをダウンロードしましょう。
https://github.com/gis-oer/datasets/raw/master/tasks/tokyo23ku-cvs_task.zip
データは、属性付きのシェープファイルで、座標系は世界測地の緯度経度(JGD2000、EPSG:4612)の点データが3,853件収容されています。
データに添付されているREADME.mdには、JGD2011と記載されていますが、ogrinfoでシェープファイルを確認するとJGD2000と表示されます。

>ogrinfo tokyo23ku-cvs_jgd2000.shp tokyo23ku-cvs_jgd2000
OGRFeature(tokyo23ku-cvs_jgd2000):0
 name (String) = スリーエフ
 name_en (String) = Three-F
 name_ja (String) = スリーエフ
 atm (String) = (null)
 toilet (String) = (null)
 POINT (139.7451981 35.625465)

JGD2000とJGD2011の差は一旦気にせずに作業を進めましょう。
どうしても気になる方は、以下に詳しい解説があります。

[blogcard url=”https://club.informatix.co.jp/?p=998″]

2.QGISで世界測地系の平面直角座標系へ投影変換
課題の指示は、世界測地系の平面直角座標(EPSG:2451)として先ほどのシェープファイルを読み込みなさいということですので、QGISのデフォルトの測地系を2451にしておいて、ダウンロードしたデータをインポートします。

QGISのデフォルト測地系の設定手順は、メニュー[設定]から[オプション]を選択し表示されたダイアログから[CRS]を選択します。そこで、”新しいプロジェクトのCRS”の設定を、”デフォルトのCRSを使用”に指定し、リストからEPSG:2451を選択してOKボタンを押下します。(下図参照)

デフォルトのCRS設定画面

なお、”新しいレイヤのCRS”は、”CRSダイアログを表示”にしてください。また、CRSとは Coordinate Reference System の略で、参照座標系を意味しています。

次にダウンロードしたデータをインポートします。
手順は、メニュー[レイヤ]から[データソースマネージャ]を起動してダウンロードしたシェープファイルを指定します。エンコーディングは、”UTF-8”としてください。

データマネージャからシェープファイルを取り込み

インポートが成功すると地図が表示されますが、赤枠で示した座標が緯度経度ではないことを確認してください。

地図キャンパス株に座標値が表示される

インポートしたシェープファイルには、座標系情報(.prjファイル)が添付されていますので、インポート時に自動的にEPSG:2451に座標変換が行われます。
EPSG:2451(平面直角9系)の原点は千葉県野田市ですから、Y座標がすべてマイナスになっていることを確認してください。

3.地図をレイアウト(整飾)
前回、前々回同様、メニュー[プロジェクト]から[新規プリントレイアウト]を選択して、レイアウトを作成していきます。完成イメージは以下になります。

レイアウトされた地図

4.地理座標系と投影座標系の違いについて、300字程度でまとめる
例えば、以下のような感じで書きます。

地理座標系は、3 次元である地球上の位置を緯度と経度で表現する座標系です。
地理座標系では、地球の形状(準拠楕円体)や重心によってモデルを定義しています。例えば、日本測地系では準拠楕円体にベッセル楕円体を採用していましたが、現在の測量法ではGRS80(WGS84とほぼ同じ)を採用しています。
投影座標系は、3 次元の地球から 2 次元の平面に投影し、XY 座標で表現する座標系です。
日本国内でよく使われている平面直角座標系を例にすると、国内の19ヵ所に基準点を設け、特定の楕円体モデルを前提に平面投影します。その他全世界を表現できる例としては、UTM座標系やWebメルカトル(EPSG:3857)などがあります。

まとめ

今回は、QGISを使って座標系の変換を行いました。
私の現在の担当業務(といっても15年継続していますが。。)でも、お客様から”このエクセルのデータを地図に取り込んで”といわれることが年に何度かあります。大半はWGS84の緯度経度ですが、日本測地系のものや平面直角座標もあったりします。QGISで地理院地図を背景にして場所を確認できれば間違いがなくなりそうですね。

作業を進めるうえでのTips(お役立ち情報)を以下に示します。

1.GDALの導入:以下のURLを参考にするとよいと思います。
https://www.kkaneko.jp/tools/win/gisinternals.html
2.マークダウンファイル(.md)の表示:Typoraというソフトを使いました。
https://www.typora.io/ ベータですがWindows版もあります。
3. ogrinfoにてUTF-8ファイルの文字化けを防ぐ方法:
コマンドプロンプトにて、以下のコマンドを打ちます。
> chcp 65001
4.手順2で設定した”新しいプロジェクトのCRS”設定
この設定は元に(”最初のレイヤのCRSを使う”)戻した方がよいと思います。
5.EPSGコード一覧:
以下がよくまとまっています。
http://tmizu23.hatenablog.com/entry/20091215/1260868350

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