空総監対策5−2016年問1

今回は、空総監2016年問1の答案を作成してみましょう。

予想問題

”月刊『測量』2016年6月号”の”三角点・・時流を読む”からの出題です。
内容は、”いま、国連が熱い!”と題し、国連での空間情報技術の取り組みについて書かれています。
以下に要約を示します。

0.はじめに
2011年7月に、国連社会理事会の20番目の委員会として、UN-GGIM(地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会)が設置された。以来、地理空間分野における加盟国間の意見交換が活発化して成果が上がっており、我が国への影響もありそうだ。
1.取り組みの背景
21世紀に入り地理空間情報の活用が世界的に普及し、様々なステークホルダーが出現・活躍し始める中で、政策立案者による地理空間情報活用の加速、各国の先進的取り組みの共有、発展途上国への技術支援などが課題となっていたが、これらの課題を国家間で議論する場がなかった。関係者の努力があり、2011年にUN-GGIMを書くとした国連の取り組みが始まった。
2.最近の成果
1つ目の成果は、「持続可能な開発のための地球規模の測地基準座標系」(2015.2採択)である。これは、現在でも独自の座標系を採用している国が存在している中、この決議は、測地基準座標系の整備および維持管理を国家の役割として明確に位置付けるとともに、開発途上国への支援を謳っている。
2つ目の成果は、2つの国連決議「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、「仙台防災枠組み2015-2030」に「地理空間情報」という言葉が明記されたことである。このことは、加盟国の政策立案者や外交官が「地理空間情報」を地球規模の課題に活用すべきものと認識したことを意味する。
3.我が国への影響
UN-GGIMの活動は、我が国にとってチャンスとチャレンジがある。
チャンスとしては、発展途上国を中心に衛星測位分野を含めた関連市場の拡大である。逆にチャレンジは、これらの市場で我が国の存在感を示していくことである。
この市場に存在感を示し発展途上国に貢献するためには、地理院尾掲げる「G・K・K」が重要であると考える。すなわち、G:技術、K:広報、K:教育の3つである。これは新技術の活用や開発を行いその価値を海外にも理解してもらうように発信し、その技術を担って行くことを育てることである。チャンスを前向きに捉えると、我が国が国際的に貢献して競争力が強化され、測量技術者の活躍の場が広がると期待している。

月刊測量 2016年6月号(P10-11)を要約

回答案は、1,440字以内(36行✖️40文字✖️1ページ)以内で作成します。
例年の設問には空間情報技術者として感想意見を示せとあり、知識思考力、文章力を問うとも明記されています。

回答案

以下のように回答案を作成しました。

受験番号:05−031
氏名  :高本 啓司
 設問の資料“いま、国連が熱い!”は、普段はあまり情報に接することのない空間情報技術への国際的な取り組みについて述べられている。以降に、空間情報技術者の立場で感想や意見を示す。
1.背景や最近の成果について
 2011年に国連の経済社会理事会に設置されたUN-GGIM(地球規模の地理空間情報に関する国連専門家委員会)について、地理空間情報の活用を国家間の課題として定期的に討議する場ができたこと、2015年に採択された国連決議では国家の役割として測地基準座標系の整備及び維持管理を明記されたこと、その他2つの国連決議においても「地理空間情報」が明文化され政策立案者や外交官にも共有されたことが述べられている。
 この点への感想は、地理空間情報技術の重要性が世界的に高まり、測量技術も国境を超え活躍の場の広がりが期待できると感じた。また、国ごとに基準測地座標が異なる課題への貢献は重要ではあるが、我が国が平成14年の改正測量法の施行までは独自の日本測地系を採用しており、現在でも一部の地図成果で採用され続けている現状を考えると、長い年月が必要な取り組みだと感じた。
 一方で、この点への意見としては、国連は政治的な組織であるため、具体的な技術の検討や標準化を進めるためには別な国際組織が必要なのではないかと考える。具体的には、通信の世界では国際電気通信連合(ITU)と呼ばれる通信の標準化を勧告する組織があり、技術討議はこの中で行われる。このような純粋に空間情報技術を討議する国際組織も日を待たずして必要になるものと考える。
2.我が国への影響について
 次に我が国への影響については、UN-GGIMの活動により、空間情報技術分野の世界市場が広がり発展途上国を中心に貢献の場が広がるチャンスがあること、反対に広がった世界市場に我が国の技術を正しく理解してもらうための広報や先端技術の活用や新技術の創造、後継技術者の育成(G・K・K)が重要だと述べられている。
 この点への感想は、国土地理院を中心とした我が国の測量行政や技術の育成、成果の信頼性の向上といった取り組みが国際的に受け入れられるか疑問を感じた。自動運転のための3D地図の作成やGNSS連続観測局設置による高精度な位置情報サービスなどは異業種の民間が先行している現状もあり、まずは我が国に優位性のある技術の棚卸しや関係事業者との技術蓄積・発展に向けた連携を強化する必要性を強く感じた。
 一方で、この点への意見としては、主に市場ニーズの収集や分析といった、いわゆるマーケティングの視点も重要ではないかと考える。具体的には、国ごとの基準測地座標がどのような状況にあるのか、それを改善するための市場規模はどのくらいあるのか、理想的な手順では費用や時間がかかる場合の代替案の検討などが必要だと考える。
以上

空総監2016年問1 回答案

以下に留意して答案を作成しました。

  • 私はこの手の問題で1,440字も書くのが厳しいので、前回同様の対策で8行稼ぎました。
  • 感想と意見は段落を分け、さらに文頭に”感想は””意見は”といった形で明記する
  • 空間情報技術者として答案を作成するので、その文言を入れる
  • 測量技術の最新の取り組みや過去の歴史を織り交ぜ知識をアピールする

まとめ

今回は、答案の完成度はともかく苦労しました。
その理由は、設問の文章の主張が1つしかないので、答案を複数の章に分割して書きにくく、どのような章立てにするか自分で考えなければいけない点に苦労がありました。
これまでの問題であれば、設問の文章から自動的に答案の章立てが導き出せました。