空総監対策1−2016年度問1類似問題

空間情報総括監理技術者(空総監)を受験することにしましたので、ブログにて対策をしていこうと思います。
私の場合は(思いつきで)急に受験を決めており、まだ申し込みもしていない状況ですが、受験するからには合格を目指して対策したいと思います。今日は問1の対策をします。

空総監の定義

空総監の定義は、日本測量協会のホームページにて確認することができます。
青下線が空間情報技術の定義、赤下線が人材像になりそうです。

「空間情報総括監理技術者」の資格についてより抜粋(http://www.jsurvey.jp/gissv/gissv2020-01.pdf)

問1で問われる内容(2014-2016)

日本測量協会のサイトにて過去問が公開されていますが、最新の3年間は対象外ですので、2016年度(H28)が入手できる最新となります。2016年度の問1を以下に示します。

日本測量協会のサイトより引用(http://www.jsurvey.jp/gissv/gissv.htm)

コラム的な文章を読んで感想や意見を書かせることで、空総監としての知識や思考力、文章力を問う問題のようです。

想定問題と回答案

前述のコラムが掲載されている”月刊『測量』2016年6月号”は入手できませんので、以下のコラム(1,600字程度)を想定問題として使います。

 新年明けましておめでとうございます。本年が皆様にとって平穏で明るく平和な年となりますことを心からお祈り申し上げます。
 昨年は、国土地理院の前身である民部官庶務司戸籍地図掛が明治2年に設置されてから150年目を迎えました。この間、国土地理院では、「測量」と「地図」という二本柱で我が国の社会を大きく支えてまいりました。この近代測量150年という大きな節目の年を迎え、各種の記念事業を通じて測量・地図作成の発展を振り返るとともに、新たに始まった令和の時代においても、国土地理院がこれまで培ってきた技術力をどのように使い、これからの未来を作り上げていくか考えてまいりたいと思います。
 これらの技術の進歩は著しく、技術者に必要な能力・技術力は高度化・多様化する一方で少子高齢化により人口が益々減少していく現状を踏まえ、測量・地図作成の効率化、生産性の向上が必要であると再認識するところです。国土地理院ではこれらの生産性向上のために、必要な民間活力を発現する環境を整備し、国土地理院ならではの技術力を加味することにより、効率的な測量行政を進めています。
 自然災害が年々激甚化する昨今、昨年も全国各地で大規模な災害が発生しました。中でも台風第19号では、関東・東北地方を中心に広い範囲で浸水が発生しました。この水害においては国土地理院における災害対応のひとつとして、空中写真や報道映像、SNS等の様々な情報から浸水範囲を確認し、国土地理院がもつ標高データを用いて浸水面や水深を推定して地図に表示した「浸水推定図」を迅速に作成・提供しました。この地図は現地での救助計画・排水計画に活用されており、様々な測量成果とデータを組み合わせて新たな情報として提供するという、地理空間情報活用の強みを活かせたものと考えています。
 最近では、自動運転や無人航空機の自動飛行、i-Constructionなど、多様な分野で3次元地図の活用が期待されています。昨年、国土地理院の測量行政懇談会に3次元地図検討部会を設置し、3次元地図に関する近年のニーズや技術動向を踏まえた品質確保や活用促進の方策を検討しています。この中で、高品質な3次元地図を整備するために国土地理院が整備すべき規程類や、多様な分野で活用可能な3次元点群データ等を流通させるために国土地理院が取り組むべき事項、世の中の動向を踏まえた基盤地図情報等の整備・更新の方向性などをまとめることとしています。各界のご知見をいただきながら品質が確保され、使いやすい3次元地図の整備・流通の促進を図っていきます。
 また、測位分野においては、携帯キャリアを中心に、位置情報サービス向上のために、独自のGNSS連続観測局の設置が始まっています。国土地理院では、信頼性の高いサービスを提供できる環境を確保することを目的として、使用目的に合った精度の位置情報を提供するためにGNSS連続観測局が備えるべき性能基準と、性能に適合した観測局を国土地理院に登録するための要領を2019年10月に定めました。これにより、国家座標に準拠し、使用目的の精度を満たした位置情報の流通が推進されるようになります。このように国土地理院では、民間活力を利用しながら信頼性の高い位置情報サービスを実現する環境を作っていきます
 最後になりますが、令和の時代においても、国土地理院のもつ力で我が国を支え、貢献していくとともに、広く測量、地図、地理空間情報などの世界で働く人々が、今よりもっと幸せに暮らせる、仕事に誇りをもって暮らせる、そのような社会を目指していきたいと思います。新しい時代を共に頑張ってまいりたいと思いますので、引き続きご理解・ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

国土地理院広報第619号 新年の御挨拶より引用(https://www.gsi.go.jp/kohokocho/koho613-top_00012.html)

回答案は、1,440字以内(36行✖️40文字✖️1ページ)以内で作成します。
設問には、知識、思考力、文章力を問うと明記されていますから、空総監の人材像に照らし合わせると以下のような記述が求められそうです。

  • 文章の読解力
  • 文章の構成力
  • 空間情報や国の政策に関する知識
  • 知識や経験から得られる考察

文章内容の分析

以下のようなことが書かれています。

  • 地理院はこれまで「測量」「地図」で社会貢献しており、これらの生産性向上を目指している
  • 施策のポイントは、「民間活力の活用環境整備」「地理院ならではの技術力」
  • 成果1 自然災害への対応:報道映像やSNSから「浸水推定図」の作成
  • 成果2 三次元地図への対応:各種規程の整備
  • 成果3 測位の品質向上:GNSS連続観測局の要求仕様策定

回答方針

設問は、”空間情報技術者としての感想、意見”であり、求められるのは、文章構成、知識のアピール、考察の3つと想定します。
よって、以下のような構成とします。

  1. 受験番号、氏名:40字(1行使ってしまうので)
  2. 書かれていることの要約(超簡単に):100字
  3. 感想(知識を絡める)と意見(=考察):1200字(1テーマ400字✖️3)
  4. まとめ(軽く):100字
  5. 以上で締める

回答案

受験番号:05−031、氏名:高本 啓司(受験番号と氏名)
設問の資料は”新年の挨拶”という形で、国土地理院はこれまでの役割やこれからの役割について論じている。以降に空間情報総括監理技術者の立場で感想や意見を示す。(要約)
自然災害への対応については、報道映像やSNSを用いた「浸水推定図」の作成が挙げられている。これはディジタル標高データをもとに最新の報道映像やSNSに投稿された写真を活用するなどして素早く現地の状況を関係機関と共有し迅速かつ効率的な救助活動に役立った事例であり、社会的に非常に有意義だったものと感じた。また、同様の取り組みが今年7月に発生した熊本県の集中豪雨でも行われており被災翌日には浸水推定を公開するなど成果を上げている。(感想1)
この取り組みへの意見としては、非常に効果があったものの改善の余地もあると考える。具体的には、ベースとなる航空写真の鮮度の問題やSNSへの投稿写真の信頼度の問題、浸水推定図の表現を改善しても良いのではないかと考えている。例えば、ベースとなる写真の鮮度を向上するために衛星写真を活用したり、UAV(ドローン)の活用によるSNSへの依存性の排除、浸水推定図の3D表現によるわかりやすさの追求といった改善余地があると考える。(意見1)
三次元地図の標準化については、まさに時宜を得たものと感じる。具体的には、自動運転車両の販売やドローンによる宅配は3年以内に実現するといわれており、それらの実現のために三次元地図は最も重要なデータとなる。カーナビが普及し始めた1990年代初頭は、マイクロコンピュータの普及時期と重なったこともあり、地図供給メーカー(国内ではゼンリンや昭文社など)による独自のデータや品質仕様とならざるを得なかった。(感想2)
この取り組みへの意見としては、民間活力を削ぐような規制は避けるべきと考える。具体的には、三次元地図と基本地図の制作を自治体に委任し、地理院に納品させるような取り組みを行なった場合、民間の求める更新頻度やコストが犠牲となる可能性が高い。官により作成された地図データが更新されずに放置される事例は数多く存在する。よって、地理院の役割としては地図データ作成プロセスや品質の認証に留め、民間の技術力を底上げする役割に徹するべきと考える。(意見2)
測位品質の向上についても民間の企業活動に即した施策と感じる。携帯電話については通話やデータの品質担保が十分とはいえず、後発のキャリアは基地局の設置数を少なくするため電波強度話あげることでこれを吸収する施策を取っており、これが通話やデータ速度の劣化に直結している。このため、人命に関わる可能性が十分ある測位品質については品質の担保は携帯電話サービス以上に重要だと感じる。(感想3)
この取り組みへの意見としては、画一的な品質定義は避けるべきと考える。具体的には、目的とするサービスごとに品質レベル(=測位精度や性能)が異なるため、i-Constructionやコンシューマー向けサービス、自動運転などサービスごとの細かな仕様の策定が必要と考える。(意見3)
最後に、国土地理院から提示された3つの施策、①自然災害への対応、②三次元地図の標準化、③測位品質の標準化については、辞儀を得たものと考える。これらの取り組みを通じ、市民の安全・安心の向上や民間産業の活性化、行政の効率化に繋がることを切に願う。(まとめ)
以上(締め)

まとめ

この連載は、私の私による私のための連載ですが、少しでもご参考になれば幸いです。

会社では普段から文章を書く機会が多いのですが、試験問題への対応は技術士試験以来5年振り(?)ということもあり、まだ不慣れかなとも感じます。
これからレベルを上げていきます。