【2021年空総監受験】ブランディングの3つのポイント

本記事では、空総監受験で最も重要な”自身のブランディング”について、その重要性と必要な理由を説明しブランディングの具体例を書いていきます。

  • ブランディングとは何か
  • ブランディングが重要な理由
  • ブランディングの具体例
目次

ブランディングとは

この記事を読まれている方は、ブランディングってなに?とか、空総監受験とブランディングって何の関係があるの?と思われているかもしれません。
でも、ブランディングは試験の合否を分ける重要な要素です。
これから説明していきます。

そもそもブランディングとは何でしょうか?
Wikipediaでは以下のように説明されています。

2001年、ヒスロップは、ブランディングを「競合からの差異化と、顧客の忠誠心を構築する目的で、製品と顧客の感情認識との間に関係を構築するプロセス」と定義した。

Wikipedia”ブランディング”より引用

また、ブランディングがもたらすメリットとして、以下が挙げられています。

競合からの差異化
 ブランドネームやロゴ・意匠などで、他競合とは区別されて認識されるようになる。
選択意思決定の単純化・固定化
 顧客の知識が整理されることで再び同じ物を選ぶようになる。
ユーザーのロイヤル化
 親しみや信頼が増大されることでブランド・ロイヤルティが形成される。
価格競争の回避
 『顧客にとっての価値』が訴求され、提供品質を無視した価格競争に参加する必要が無くなる。
価格プレミアムの獲得
 同じ品質・スペックの商品について、競合よりも高い価格で販売が可能になる。
プロモーションコストの削減
 以上のことから販売促進の必要度を低下させることが可能になる。

Wikipedia”ブランディング”より引用

こういったことから空総監試験におけるブランディングとは、採点者に対して、受験者がどのような技術者であるのかを訴えて関係を構築するとともに、他の受験者との差別化するようなことといえます。

ブランディングが重要な理由

では、なぜ空総監試験にはブランディングが重要なのでしょうか?
理由は3つあります。

  • 技術者像を明確にすることで受験者との差別化ができる
  • 難問が出題された場合の答案作成がしやすくなる
  • ある種の自己暗示により自信を持って試験に臨める

個別に確認しましょう。

技術者像を明確にすることで受験者との差別化ができる

空総監の受験者の大半は、自身の技術者像を明確には意識していないと思います。
具体的には、自身の得意不得意分野を確認し、キャッチコピーをイメージして採点者への明確なメッセージを発するような受験者はほとんどいないでしょう。

答案の採点は、論理的な思考や技術面での知識・経験が文章に表れていることが必須ですが、これだけでは及第点には至らないでしょう。
なぜなら空総監の受験資格には、”空間情報関連業務に15年以上従事し責任者の経験が2回以上”という要件(要するにベテランであること)がありますので、受験者の答案の多くは必須条件(論理的かつ十分な知識や経験)を満たしていると思われます。

では、どうすればいいか。
ここでブランディングが重要になってきます。
答案の中で、ブランディングを軸とした意見を述べ、採点者に”私はこんな技術者です”というメッセージを発信しつつ、”自分のテリトリー”からの意見を述べることで、他の受験者との差別化を図ります。

難問が出題された場合の答案作成がしやすくなる

空総監の筆記試験は3題から構成され、概ね以下のようになっています。

  • 問1 自身の専門分野に関する業務経験:2枚(約2,800字)
  • 問2 配布資料を読みそれに対する意見をまとめる:1枚(約1,400字)
  • 問3 国や自治体の課題と解決方法の提案:パワポ8枚

問1や問3は、出題パターンがあるのでかなりの準備ができますが、問2(コラムのような文章から自分の意見を提示する問題)は、過去問を使って練習はできますが不確定要素の高い設問といえるでしょう。
また、資料をトレースしただけの回答では、パンチに欠けた文章となってしまい及第点には至らないと思います。

ではどうしたらいいのか、それはブランディングを核とした”あなたの視点”からの意見をしっかりと述べることで、答案にスパイスを効かせて他の受験者との差別化を図ることが重要となってきます。

例えば、2014年度の出題では、以下の国土地理院長の新年の挨拶への意見を述べる出題がありました。

国土地理院広報 第547号(2014年1月発行)とり引用

資料の主張は概ね以下です。

  • 昨年度は、集中豪雨の被害が大きかったが地理院としては空中写真等を迅速に提供した。
  • また、国土基本図の整備も頑張った。さらに、国土基本図をWeb公開した。
  • 基準点測量も頑張った。

ここまで整理できたら、自身のブランディングを軸とした意見を文章化します。
例えば、国土基本図への取り組みを地図調整業の観点から述べる場合は以下のような感じです。

この取り組みへの感想は、施設管理者が保有するCADデータなどを使って最新の現況に一致した地図が迅速に、紙や電子媒体、インターネットなどの複数の媒体で提供されることは地図を利用する者にとって利便性の向上が期待できると感じた。
一方で、この取り組みへの意見としては、民業の圧迫にならないか懸念している。具体的には、国土地理院の役割は全ての地図の基礎となる“基図”の作成・提供と断層や土地利用などの社会的に重要な主題図の作成であるためこれを超えた地図の作成については、地図調整業者などへの民業の圧迫となる可能性があると考える。
また、迅速な地図の提供は好ましいが、データの誤りを見過ごして刊行してしまっている問題も発生しており、図化や点検工程を見直し信頼性の高いデータの提供が必要であると考える。

ブランディング的に意見が言えそうにない主張については、バッサリと捨てて答案に組み入れる必要はありません。

このようにブランディングを、問題文のフィルターや主張の軸に使うことで、問題に振り回されずに自分の土俵で試合をすることができるようになります。

ある種の自己暗示により自信を持って試験に臨める

ブランディングは、採点者などの対外的な効果だけでなく、答案者自身にも効果があります。
具体的には、自分がどんな技術者かという軸を確立することで、試験に飲まれるのではなく飲むような形、言い換えると”こんな技術者ですが、どうぞ評価してください”といった意識で試験に臨むことができます。

普段の生活では気をつけなければいけませんが、答案作成に関しては”上から目線”的な意識が必要となってきます。
自分のブランディングから設問を評価するようなイメージで答案を作成すると、”上から目線”的な答案が作成しやすいです。

さらに、ブランディングを中心とした答案の作成練習を重ねることで、読み手である採点者にも主張の軸が伝わる答案を作成できるようになります。

まとめ

空総監受験におけるブランディングとは、採点者にあなたと他の受験者を差別化するメッセージを伝え、親しみや信頼関係を構築して受験を有利に運ぶ準備や戦略といえます。

さらに、受験申込書、筆記試験答案、面接試験まで一貫した主張を貫くことで、採点者へのメッセージや他受験者との差別化だけでなく、答案作成に自信が持てるようになります。
受験者にとってのブランディングは、いわばキャッチコピーのようなもので、受験者としての”背骨を通すこと”と言い換えてもいいと思います。

私の場合、”IT地図屋”というブランディングを軸に答案作成をしましたが、練習を重ねると答案作成がゲームのような感覚となってきました。

次回は、受験票の作成について書きたいと思います。

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